2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- other side Seventeen --**
あんなバレンタインだったし、ホワイトデーのお返しや誕生日のプレゼントなんて買う気になれなかった。
渡せなかったプレゼントは1月に渡すことができたし、今の俺の手元には栞に渡すもの、渡したいものはない。
そのことも、少し先の未来がこんなことになっているから良かったと思うことにした。
誰かにあげるにしても俺の後味が悪いし、捨てるにしても躊躇すると思う。
だって物には罪はないから。
俺の殴られっぱなしだったでかいプーさんを見て思ったんだ。
物にあたっても意味はないって。
それと、樹紀が死んだときの父ちゃんの様子。俺でも止められないほど暴れまくって物を壊しまくって……。
見ていられないと心が痛んだと同時に、父ちゃんみたいに暴れたりしないと決めたんだ。
だからもう、物にはあたらない。
もし何か買っていたとしたら、たぶん物置小屋の一番奥にでも隠すだろう。
そして何十年も経って見つけたとき、昔を懐かしむだろう。