2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- another side
     Seventeen --**



それでも泣きながら訴えかけた栞ちゃんの言葉。


―『ワタシの一生のお願い。直貴には言わないで……』―


その言葉があたしの手を止める。桃原さんに電話をかけようとする手を止めるの。


あたしは悔しくて悔しくてたまらない。


だってそうでしょ?
長坂さんのせいで栞ちゃんの人生が狂ったんだよ。


やっと心が通じ合える人だってできたのに、それなのに病気になんてなったばっかりに、栞ちゃんは我慢ばっかりしなくちゃいけなくなったんだよ。


悔しいじゃない。


ヒデくんみたいに、病気だと分かったら手のひら返して離れていくし。


“好きだ”“守る”なんて言ってても、結局桃原さんだって気持ちが離れていくし。


これじゃあ栞ちゃんが何のために生きているのか分からないじゃない。


こんなことになるんだったら、栞ちゃんの不倫を是が非でも止めておけばよかった……。


合コンなんて連れていかなければよかった……。
 

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