2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- Eighteen --**
入院初日の夜に見た、小学生の頃のワタシの夢。
あれから幾度となくワタシの夢に出てくるようになった。
ある時は、父方の親戚の家に引き取られた日のこと……。
ある時は、もっと時間をさかのぼって、母がワタシと父の前から姿を消した日のこと……。
またある時は、父が死んだ日のこと……。
新海に捨てたはずの思い出したくない出来事が、この5ヶ月半の間にどんどん思い出されている。
あの頃のワタシには、楽しかった記憶なんてどこにもない。たった1つだってない。
ワタシは時々、その暗い夢の中に引きずり込まれそうになる。
真っ暗で、どこにも光はない。
かすかな光さえ、ワタシの周りにはない。
寒くて息苦しくて、体中の骨や細胞が痛い。まるで何億本もの細い針で全身を一斉に刺される感覚。
そんなときは、たまらなく死にたくなるんだ……。
病気のせいか薬のせいか、それとも単にワタシの精神的な弱さのせいか……。
そんなのさっぱり分からない。