2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- Eighteen --**



だけど死にたくなるのには変わりなくて、ワタシは何度となく屋上に足を運んだ。


飛び降りて死ねたらどんなに楽になるか……、そう思って行くんだけど、でも毎回、何もせずに病室に戻るのがオチだった。


お医者さんにも看護師さんにも雪にも、ワタシが過去の夢を見るたびにそんなことをしているとは言っていない。


ただでさえたくさんの患者さんを抱えているのに、ワタシ個人のために迷惑をかけるわけにはいかない。


雪だって、自分の時間を削ってワタシに会いに来てくれるのに、これ以上余計な心配はかけられないもの。


死にたい衝動も屋上に行けば治まるから。たぶんそれは、屋上まで行くのがワタシの気を静めてくれるからだと思う。


みんなのために、ワタシは笑顔でいなきゃならない。


治ることを諦めていないという姿勢を、みんなに見せなきゃいけない。


精一杯生きていることを、みんなに見せなきゃいけない。


だってワタシは、自分のためだけに生きているわけじゃないんだから……。
 

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