2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- Eighteen --**
そんな複雑な感情で過ごしていたある日、お盆休みも終わりに近づいている日の夕方だった。
「栞ちゃん、今日も来たよ〜!」
病室のドアを開けて、雪が中に入ってきた。
ワタシの前では、けして涙も見せなければ笑顔も絶やさない雪。
お盆休みに入ると、雪は毎日お見舞いに来てくれていた。
「今日もありがとう、雪」
ワタシは笑顔で返した。
「今日は顔色いいんじゃない?調子よさそうだよ」
いつものように椅子に座ると、雪はうれしそうに言った。
「うん、まあまあかな。あ〜ほらっ、西日が入ってそう見えるんじゃない?」
ワタシは曖昧に返事をしながら窓を指差した。
「そう?あっ、眩しい?カーテン閉めようか?」
雪は“そんなもんかな?”という顔をしたあと、椅子から立ち上がるなりそう聞いた。
「ううん。あったかくて気持ちいいから大丈夫。ありがとね」
「そっか。じゃあ、このままにしとく!」
「うん。そうしといて」