2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- Eighteen --**



「うん!髪もアップにして、メイクもバッチリしてさ!」

「だって屋上で見るだけでしょ?必要ある?」

「いいじゃん、ちょっとくらい。夏なんだよ?パーッと景気いいことしようよ!」

「う〜ん……」


雪は目をキラキラ輝かせながらいろいろとアイディアを出した。


だけどワタシは“今さら……”という気持ちが大きくて、すんなりOKが出せない。


誰に見せるわけでもないし、雪と2人で見るんだから格好なんて気にしたって仕方ないと思わない?


そんな気持ちだった。


『ガラガラッ……!』


すると、タイミングを計ったように病室のドアを誰かが開けた。


「食事の時間ですよ〜」


そう言いながら夕食を運んできたのは、あの看護師さん。


入院初日に雪をつまみ出したり、夢にうなされていたときにそばにいてくれた人だ。


「あっ、三浦さん!三浦さんもいいでしょ〜?」


雪はすかさず三浦さんに近づき、状況が飲み込めないままの三浦さんの腕をとった。
 

< 408 / 613 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop