2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- Eighteen --**



「今日の花火大会、栞ちゃんにうんとおめかしさせてあげたくて。でもなかなか“うん”って言ってくれないんですよ」


――雪、余計なことを……。


「いいじゃないよ〜!減るもんでもないんだし」


――三浦さんまで……。


「「ねーっ!」」


最後の“ねーっ!”の部分をきれいにハモらせて、意気投合した2人はワタシに目を向ける。


それはもう、断りきれないくらいキラキラした目で。





夜7時半。


そんなこんなで……。


ワタシは浴衣を着て、髪をアップにして、メイクもバッチリ決めて屋上にいる。


隣にはワタシの紺色の浴衣とは正反対の、ピンクの浴衣を着た雪。


花火が上がる方向に向いたベンチに座り、ちゃっかりうちわまで持った雪がいる。


どうやら雪はワタシの反対を押し切ってでも浴衣を着せたかったらしく、病室に入る前に廊下の脇に置いていたらしい。


メイク道具やヘアゴムも、わざわざ部屋から大量に持ってきていたみたい。
 

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