２年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-

　
**-- Eighteen --**



かわいらしいというか、用意周到というか、こういうときの雪は気合いの入り方が違う。


特に今は、病気になっているし余命も話したわけだから、気合いが入らないわけはないんだけれど。


“これで最後になる”。


雪は言わないけど、こうしてはしゃいでいる裏には悲しみが潜んでいる。


やっぱり雪には迷惑ばかりをかけてしまって、何も返せないワタシは辛くなる……。


雪の横顔を見ていると、ふいに涙が込み上げて仕方がない。


『ヒューッ！』


「あっ！上がった〜！」


すると、花火大会１発目の花火が勢いよく上がった。


雪はグイッと首を上げて、オレンジ色に微かに光る光の筋を見た。


ワタシもその音とともに、雪と同じようにして光の筋に目を凝らした。


『ドーンッ！』


「わぁ〜！大っきい〜！」


ワタシたちの真上で咲いた花火は夜空を一瞬にして明るく照らし、ワタシたちを包み込むように赤い花を咲かせた。


雪はもう花火に夢中だ。