2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- Eighteen --**
ワタシは花火に夢中の雪の横で、気づかれないようにこっそり涙を拭いた。
その1発目の花火が消えかかるのを合図にして、今度は待ってましたとばかりに一斉に花火が打ち上がった。
“ドーンッ!”と花が咲く音をいくつもいくつも被せて、怒涛の花火の応酬だった。
「た〜まや〜!」
雪は音に負けないくらい大きな声を出してそう言う。
チラッと雪の顔を見ると、雪の目にもうっすら涙が光っているのが見えた気がした。
色とりどりの花火、大小さまざまな花火、ハートの形や星の形。
止むことなく響き渡る花火が弾ける音は、ワタシや雪の体に振動を与え、その振動は嘘偽りなく“今ここに生きている”という真実を教えてくれる。
雪と同じ時間を“生きている”と教えてくれる。
それはうれしくもあり、切なくもあり……まるでワタシの命の短さを象徴しているかのようだった。
「ごめんね、栞ちゃん。……隣にいるのが桃原さんじゃなくてさ……」
音が鳴り止むと雪はそう言った。