2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- Eighteen --**
「はっ?」
――なんで今さら直貴の話……?
半年くらい聞いていなかった直貴の名前が突然出てきて、ワタシは今までの花火の感動が一気に引いていった。
「ごめんね。栞ちゃんに黙って桃原さんに電話入れてたの。“1回だけでいいから栞ちゃんの顔を見に来て”って……」
雪は下を向いて、ワタシと目を合わせないようにして言った。
「……」
――何でそんな勝手なこと……。
ワタシは言葉が出なかった。
雪の横顔をじっと見ることしかできない。
「何ヵ月も前からお願いしてたんだけど、なかなか“うん”って言ってもらえなくて……」
雪はギュッときつく握った手の甲にポタンと涙を落とした。
「……直貴のことはもういいって言わなかった?」
ワタシは静かに聞いた。
怒りと動揺と申し訳なさがワタシの心を取り巻く。
「やっぱり離れるべきじゃないんだよ、栞ちゃんと桃原さんは。だから……」
雪はそう言って、潤んだ瞳でワタシの顔を見た。