2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- other side Eighteen --**



4月10日。
俺の誕生日を覚えてくれた取り引き先の会社の子――木村香織に告白されてつき合いはじめた。


「ずっと前から好きでした」


とストレートに告白されて、それで好きになった。


栞と別れて1ヶ月と少し。
こんなにすぐつき合えるものなのかと悩みもしたけど、でも香織の真っすぐな気持ちに俺は惹かれたんだ。


香織は俺と同い年で、栞のように気を遣ったり背伸びをしなくてもいい、等身大の俺でいいんだと受け止めてくれた子だった。


香織とのつき合いは順調で、俺はこの3ヶ月ですっかり立ち直っていた。


確かに、つき合いはじめた頃は香織に逃げていた部分が多かった。


あまり間がなかったから、どうしても栞と香織を重ねて見てしまっていた。


だけど香織は、俺のそんな部分に勘付いていたにも関わらず、俺の気持ちが完全に香織に向くまで待っていてくれた。


そんな、俺にはもったいないくらい心の優しい子なんだ。


だけど……。
でも……。
 

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