2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- other side Eighteen --**



6月の終わり頃から、それまでパッタリと途絶えていた雪ちゃんからの連絡が入るようになった。


その内容はいつも、


「1回だけでいいから栞ちゃんに会いに来て」


と、そればかりだった。


何回かは話したけど、同じことの繰り返しで嫌気がさした俺は、雪ちゃんから着信が入ると放っておくようになった。


だって俺と栞はもうとっくに切れていたし、つき合っている彼女だっている。


それに、忘れもしないあの男――長坂さんのところに行ったんだから俺には関係ないと思っていた。


今日の花火大会。
朝の早い時間に電話が鳴って、寝ぼけていた俺はうっかり電話をとってしまった。


その電話はあろうことか雪ちゃんからで、切るに切れない状況に陥った俺は、仕方なく雪ちゃんの話を聞かなければならなくなった。


「これで最後にしますから」


と雪ちゃんは前置きをして、


「今日の花火大会、栞ちゃんと病院の屋上で待ってますから」


と。
 

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