2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- other side Eighteen --**
そう言って、雪ちゃんは一方的に電話を切った。
だけど俺には香織がいる。
残念だけど、雪ちゃんの要求には応えられない。だってもう、栞には気持ちはないから。
このまま会わないほうが、俺のためにも栞のためにも……みんなのためにもなるんだから。
“栞には会わない”という気持ちに揺らぎはなかった。
夜。
香織と花火大会の会場近くで待ち合わせをした俺たちは、大勢の人に押されながらも花火大会を満喫していた。
香織といることを俺は選んだ。
香織のふっくらとした温かい手を握っていると、俺の選択に間違いはなかったと安心できた。
香織とだったら、恋人同士がする“普通”が普通にできる。
――やっぱり俺の幸せはここにあるんだ。
そう思って、俺は香織の手を放すまいと力をこめて握っていた。
でも、
花火大会がいよいよ佳境に入ろうとしていたときだった。
今までの俺の幸せを壊すかのような電話が入ったのは……。