2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- other side Eighteen --**



それなら俺は、今の幸せを捨ててでも昔に戻る。


だって昔は、もう二度と戻らない過去なんだから。


こうしている今も、今はどんどん過去なっていくんだから。


もう二度とやり直すことは不可能なことなんだから。


今までの俺の人生は、たった24年しか生きていないけど、後悔ばかりが目立つものだった。


樹紀のことも自分自身の夢のことも、栞のことだってそうだ。


もっと勉強しておけばよかったとか、運動会のリレーでコケなければとか……、そんなことだって後悔だ。


だから俺は、まだ間に合うのなら栞のことだけは後悔で終わらせたくない。


樹紀に誓った約束を破った俺が言える立場じゃないことは百も承知だ。


あの時、栞と別れることを選んだ俺が戻れる立場じゃないことだって分かっている。


半年前“病気”の重みに耐えられなかった弱い自分のままなのは分かっている。


だけど……。
だけど……。


自分の気持ちに嘘はつけない。
 

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