2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- other side Two --**
そして、ウキウキした気分で俺は小峯栞の部屋を訪れた。
玄関のドアが開くまでは少し待たされたけど、その分ウキウキがドキドキに変わって楽しかった。
部屋の中で何かを片付けた音がして、ドアが開く。
明るいところで初めて見る小峯栞の顔は、俺とは反対の色白で、透き通るような肌が男の動物的な部分を掻き立てる。
俺はほんの少し、ほんのちょっとだけ見とれてしまった。でも目が悪いのか何かは分からないが、俺の顔を見ても小峯栞は無反応だ。
――なんか悔しい。
少しくらい気づいてくれてもいいと思うんだけど。
そして、見とれてしまった自分になぜか悔しくなった。
そんなことを思いながら、俺は小峯栞に言われたまま荷物をせっせとトラックに運ぶ。
吉田さんが言ったとおり、女性の引っ越しにしては荷物が少ないと思った。
何度も往復する俺を、小峯栞は部屋の隅でじっと見ている。
あるいは、ただその過程を傍観しているのかもしれない。