2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- Nineteen --**



子供じみた考えなのは分かっているけど、でも、直貴の顔を見たらおしまいなような気がして……。


だからワタシは、目を開けていられなかったんだ。


両方の膝の上に置いた、握力が弱まってきた手を力いっぱい握るワタシ。


でもなかなか思うように力が入らない。


こんな普通の人にはどうでもいい些細なことでさえも、ワタシには容赦なく突きつけられる“時の流れ”だ。


寒いのか怖いのか……、それとも喜んでいるのか。


ワタシは震えていた。
自分では止められない体の震え。なんだか悔しさが込み上げてきて泣きそうになる……。


「……」

「……」


ワタシと直貴は言葉を交わさなかった。ううん、交わせなかった。


お互いに過ごしてきた“半年”という時間のあまりにもの違いに、ワタシたちはたった一言の言葉さえ出なかった。


ワタシはずっと固く目を閉じたままだった。まだまぶたの力は衰えていなくてホッとした。


だって涙がこぼれ落ちそうだったから……。
 

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