2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- Nineteen --**
つかまるものがないところを歩くのは、今のワタシにとってはすごく大変なこと。
足が思うように前に進んでくれないんだ。
でも変なワタシの意地があって、本当に歩けなくなるまでは車椅子は使いたくなかった。
だから雪とここへ来るまでも、時間をかけて歩いてきた。
直貴はうまく歩けないワタシを見てどう思うだろう。
“もう戻れない”と感じてくれればいいんだけど……。
ワタシは1歩1歩、ゆっくり直貴から離れていく。
直貴はまだ、ベンチから立ち上がった気配はない。
ワタシは泣きそうになるのを歯を食いしばってこらえながら歩く。
直貴に泣き顔は見られたくない。“半年”の時間を突きつけなければという思いと、早くベッドに戻りたいという気持ちが、ワタシの足を動かしていく。
「あっ!」
ドサッ!
足がよろけてワタシは転んでしまった。
気持ちがはやるばっかりで、体がそれについてこなかった。
……悔しさが込み上げる。