2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- Nineteen --**
両膝と両手をついて、かろうじて四つんばいの格好で踏みとどまるワタシ。
……悔しくてたまらない。
「……栞!」
直貴はワタシに駆け寄ろうと立ち上がった。
「来ないで!ワタシは1人で立てない女じゃない!」
ワタシはできる限り大声を出して叫んだ。
ワタシのすぐ後ろに直貴が立っている。ワタシを起こそうと立っている。
「……」
「……もう分かったでしょ?持っている時間が違うって意味」
「……」
「なんで来るのよ……。迷惑」
「……」
「これ以上ワタシに関わらないでよ。これから死ぬ人となんか関わったって、直貴が後悔するだけじゃない……」
ワタシはその場にペタンと座り込んで、思いの丈をぶちまけた。
気丈に振る舞いたいのに、体が言うことを聞いてくれない。途中からワタシは泣き崩れてしまった。
「……人間は、後悔とともに生きるもんだから」
直貴はワタシの正面に回り、そう言って痩せたワタシの体を抱きしめた。