2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- Nineteen --**



ワタシがいつか、あの人に言った言葉……。


直貴もワタシと同じことを思っていたんだね。


こういうつながりなんていらないのに……、心の奥では“後悔”という言葉でずっとつながっていたんだね。


「俺、あの時は焦ってたんだ。栞が俺を頼ってくれてないんじゃないかと思って、無理にいろいろ聞き出そうとしてた……」

「……」


ワタシを抱きしめたまま、直貴は噛みしめるように言った。


「本当は栞が笑ってればそれでよかったのに。……俺はちいせぇ男だった」

「……」

「今もそれは変わってないかもしれないけど、今度は最後まで守から」

「……」

「今日ヒデから電話もらって、全部知った。あとでボッコボコに殴ってくるから。首輪つけてでも引っぱってきて、ちゃんと謝らせるから」

「……」


だんだんにワタシを抱きしめる力を強める直貴は、涙声だった。


初めて聞いた直貴の涙声は、ワタシの耳から入り、脳に届く。


そして心を震わせ、涙腺を崩壊させた。
 

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