2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- Nineteen --**



壊れるたびに何度も直してきた涙腺は、今度こそもう直せないかもしれない。


今までだってボロボロだったのに……それを辛うじてせき止めていたのに……。


悔しいことに、ワタシにはもう直す力が残っていなければ、流れに逆らう力さえも残っていない。


流れに身をまかせるしか、今のワタシには残された選択肢はないのかも……しれない。


認めたくない。
認めたくないけど……。


ワタシの心の奥の奥は、確実に直貴を求めはじめている。


閉じていた“恋”の扉が、また開きかかっている。


「あと……3ヶ月……直貴に何ができる……?」


泣きじゃくって言葉を詰まらせながら、ワタシは聞いた。


「栞の望むことなら……何でも」


直貴も、泣き声を殺しながらワタシの耳元でそう囁いた。


「旅行に行って……一緒に温泉入ったり……海外旅行とか……ディズニーランドとか行ってみたい」


そんなの無理だってことは十分、分かっているけど、ワタシは言わずにはいられない。
 

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