2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- Nineteen --**



「いいよ」


直貴はそう言いながらワタシの頭を優しくなでた。


「あと、桜を見たり……海に行ったり、クリスマスには……プレゼント交換したり」

「いいよ」

「また4人で……ご飯食べに行きたい」

「ヒデに言っとく」

「一番したいのは、一番したかったのは……直貴に抱かれることだった」

「うん」


今からじゃ、どんな奇跡が起こったって叶わない願いばかり。


どうしてワタシは、もっと自分を大切にしてこなかったんだろう。


どうしてワタシは、こんなろくでもない人間なんだろう。


どうして?
ねえ、どうして?


どうして人は必ず死ぬのに生まれてくるの?


死ぬのが決まっているのに、どうして人は一生懸命生きようとするの?


どうしてワタシはワタシなの?


どうして直貴は直貴なの?


もっと早く出会っていれば、ワタシたちの未来はもっとキラキラしてたかもしれないのにね……。


どうして“今”じゃなきゃダメなんだろう。
 

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