2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- Nineteen --**



“運命”と片付けるには、あまりにも重いワタシたちの未来。


“偶然”と呼ぶには、あまりにも薄っぺらいワタシたちの出会い。


もっと強い言葉があれば……、と願わずにはいられない。


ワタシは直貴の背中に腕を回し、声にならない声を上げて泣いた。


直貴は、ワタシの頭をなでながら声を殺して泣いていた。


ワタシたちの心は、磁石のように急激につながった。


1月に直貴が言った、


「絶対に離れられない運命」


の意味が、半年の時間をかけて今やっと、ワタシの心に届いた。


2人の歯車は噛み合ったんだね、直貴……。


でもね、直貴。


ワタシはあと3ヶ月で、どれだけ直貴を苦しませなければならないんだろうね。


もしかしたら、かわいらしい彼女だっていたんじゃないの?


やっとワタシから解放されて、幸せな日々を送っていたんじゃないの?


ねえ、直貴。


直貴は本当にこれでいい?


今ならまだ間に合うよ?
 

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