2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- Nineteen --**
そう言いたかった……。
そう言いたかったのに、ワタシは言えなかった。
「……ゲホッ、ゲホッ、ゲホッ、ゲホッ……」
ワタシは急に苦しくなって、咳が止まらなくなってしまった。
ワタシは、体力が落ちて免疫力も弱まっていたことを忘れていた。
少しの無理が命を縮める。
もう二度と戻ることはできない健康な体。
それを持っている直貴は、やっぱりうらやましいよ……。
「栞!おい、栞!大丈夫かよ!」
だんだん遠ざかっていく、直貴がワタシの名前を呼ぶ声……。
ダメだ……、
苦しくて息が続かない……。
ワタシは直貴の温かな腕の中で意識を失った。
・:*:・゚'★,。・:*:・゚'☆・:*:・゚'★,
『小峯さん?小峯さん?』
――誰?
『まだこれからですよ。もう一頑張りですよ、小峯さん』
――えっ?
パッと目を開けると、目の前にあの沼の精がいた。
「ワタシ……死んだの?」