2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- other side Two --**
――やるなら今だ!
俺は、会計をするためにまた部屋に上がったとき帽子を取ることにした。
早く驚いた顔を見てみたい。どんな反応をするか見てみたい。
それと、昨日の平手打ち。
怒っているわけじゃないんだ。
少年のイタズラ心で、ただ純粋に驚いた顔が見てみたかっただけ。
そしてやっと帽子を取ったとき、小峯栞は俺が期待する通りの反応を見せてくれた。
それだけで俺は大満足だった。
その色白の顔が、まさか熱のせいでさらに白かったなんて知らずに。
俺はバカみたいにおかしくて笑ってしまったんだ。
それから、口が勝手に意思を持って動くみたいに、暴言をはいてしまった。
自分の笑い声しか聞こえず、小峯栞の押し殺した怒りの声なんて聞いていなかった。
バターンッ!
その時、小峯栞は俺が笑う前で倒れた。
その倒れる様が一瞬、アイツとカブって見えた……。
もう、そういうシーンは見たくないと、そう誓っていたのに。