2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
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その直後、つき放されるようにしてワタシは現実の世界に戻った。
うっすらと目を開けると、沼の精が言った通りに、直貴はワタシの手を握ってくれていて、その近くに雪。
そして……ヒデ。
ただ倒れただけなのに、ヒデは誰かが死んだときみたいな暗い顔をしていた。
「栞、みんなのことが分かるか?俺と雪ちゃんとヒデだぞ?」
直貴が心底ホッとした顔でワタシの頭をなでながら言った。
「よかった……無理させてごめんね、あたしが付いていたのに」
雪は泣きながらワタシの顔の近くで言った。
ワタシは直貴にも雪にもただコクッとだけ頷いて、少しだけ笑顔を作った。
「栞さん……」
ヒデが言葉を詰まらせながらワタシに近づいた。
よく見ると、左の口元には殴られたような跡があり、唇の端っこが切れて血が固まっていた。
「ごめんね、痛かったでしょ?辛い思いをさせちゃったね」