2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- Nineteen --**



直貴がやったのかな?
傷あとがすごく痛そうだった。
ワタシが謝ると、ヒデは小さく首を横に振った。


ヒデはそれ以上、何も言えない様子だった。痩せ細ってしまったワタシにかける言葉が見つからなかったみたい。


無理もないよね。
“半年”という時間は、ワタシにも平等に訪れていたんだから。


ヒデが何も言えない気持ち、ワタシにだって分かるよ。


直貴に視線を戻すと、


「栞、今日はみんなで付いてるからな。心配しないでゆっくり休めよ?」


と、ワタシが大好きなとっておきの笑顔で言ってくれた。


ワタシはまたコクッと頷き、直貴の手を握り返した。


そのあとは当直のお医者さんが来て、脈拍や呼吸の状態を確認していった。


また4人が揃う日が来るなんて、ワタシにはそれこそ夢のようだった。


こんな形でなければもっと喜べたのにね。……ごめん。


ワタシはすぐに目を閉じ、3人に見守られながら眠りについた。


……少し疲れちゃったみたい。
 

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