2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- other side Nineteen --**
俺だけじゃなかったんだと知り、さらに後悔の涙がこぼれ落ちる。
栞の肩のあたりを濡らす俺の涙。その涙は、紺色の浴衣に大きなシミを作っていく。
じわじわと広がって、暗い中でもはっきりと見えるくらいに、そこだけ濃くなっていった。
2人で抱き合って泣いていると、突然栞が苦しそうに咳をしはじめた。
俺の頭は一瞬にしてパニック状態になった。
一生懸命名前を呼んだけど、栞はどんどん苦しそうな表情になっていく。
――まだ死ぬには早いだろ!
意識を失った栞を抱き抱えて、俺は無我夢中で屋上を出た。
栞を助けたい一心で階段を駆け下り廊下を走り……。
一番最初に目に入った見回りの看護師さんに「助けてください!」と叫んだ。
それからすぐに処置に入り、しばらくして栞はなんとか落ち着き、病室に戻ることができた。
ホッと胸をなで下ろしたい安堵感と栞に苦しい思いをさせてしまった罪悪感が、俺の涙に変わってポタポタ落ちていた。