2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- other side Two --**



なんてことをしてしまったんだ、俺ってヤツは……。


倒れた小峯栞の姿に、頭が真っ白になって、誰かに助けを請いたくて、無我夢中で電話をかけた。


「吉田さん、吉田さん!どうしよう……、どうしたらいいんすか、吉田さん!」


支離滅裂な電話。
電話の向こうの吉田さんは、きっと言っている意味が分からなかっただろう。


「桃原君、落ち着きなさい。落ち着いて話しなさい」


吉田さんのその冷静な声で、俺は今のこの状況を説明することができた。


「今日はそのお客様にちゃんとついていてね。仕事のことは今日は忘れなさい」


電話を切るとき、吉田さんはそう言ってくれた。


「はい、ありがとうございます、吉田さん」


・:*:・゚'★,。・:*:・゚'☆・:*:・゚'★,


それから俺は、吉田さんの指示通りに小峯栞の看病をした。


打ち身用に湿布を買った。冷たいタオルに何回も取りかえたんだ。


吉田さんのおかげで助かりましたよ、マジで。
 

< 45 / 613 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop