2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- other side Nineteen --**



ヒデの目は、さっきまでの目と明らかに違う目だった。


そしてヒデは、パッと腕を放してまた何か話そうと口を開いた。


「その代わり……落とし前はちゃんとつけろよ」


不器用に笑うヒデの目に、うっすら涙が光っているのが見えた。


「言われなくても分かってる」


俺も不器用に笑い返した。


俺の覚悟をヒデが理解してくれた瞬間だった。俺は素直にうれしいと思った。


“俺の意志に任せる”と言うまでどれほどヒデは苦しかったんだろう。


勢いで殴ってしまったことがどんどん後悔にすり変わっていく。俺はまともにヒデの顔が見れなくなった。


「お前や栞さんに半年も無駄な時間を過ごさせちまったな……悪かった」


ヒデはそう言って頭を下げた。


ヒデらしい謝り方。
ごちゃごちゃと御託を並べないヒデが、ここに帰ってきた。


ヒビが入った友情が戻っていく。


「あと、雪ちゃんにもな。お前のほうこそ、ちゃんと落とし前つけろよ」
 

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