2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- other side Nineteen --**
栞が目を覚ますと、俺たちにまた笑顔がこぼれた。
すでに今夜はここに泊まることを決めていた俺たちは、ナースコールを押して栞が目を覚ましたことを伝えるとき、ついでに3人分の布団と枕を頼んだ。
それを持ってきてくれた看護師さんは三浦さんといって、栞が入院したときから世話をしてくれている人だった。
栞の点滴を確認した看護師さん、その人だった。
「ここはホテルじゃないのよ。まったく最近の若い子たちは」
なんて言っていたけど、言葉とは反対に顔はニコニコしていた。
栞が眠ったのを確認すると、俺たちはそれぞれ布団に入った。
しばらくしてヒデと雪ちゃんは寝息を立てはじめたけど、俺はなかなか眠れなかった。
――栞のそばに付いていてやらないと……。
少しでも離れていた時間を埋めたくて、俺は布団を抜け出して栞の手をずっと握っていた。
栞の手を握っていると、ほどなく俺にも睡魔が襲ってきて、そのまま眠ってしまった。