2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- Twenty --**
ワタシの涙腺はまた緩みはじめ、幾筋もの涙が頬を伝って布団にしみ込んでいく。
普通の人には何でもない朝でも、ワタシにとっては特別な朝。
昨日までの世界とはまるで違う今日という世界は、これからワタシにどんな未来を用意してくれているんだろう。
3人の寝顔をもう一度見てみる。その寝顔は、ワタシに安らぎと生きようとする力を与えてくれるようだった。
――今のこの一瞬を精一杯生きなきゃいけない。
どんな未来になろうとも、3人を見ていると不思議とそう強く思うことができた。
だからワタシは涙を拭いて下唇をキュッと噛んで、3人に誓いを立てた。
“幸せだった”
そう言って死のうと、誰にも内緒で誓いを立てた。
朝の太陽でも、夏はジリジリと焼けるように暑い。
真正面から光を浴びる直貴は、ほどなく眩しそうにしながら目を覚ました。
「おはよう」
ワタシが言う。
「おはよう」
直貴は笑顔で返してくれた。