2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- Twenty --**



たったそれだけのことなのに、ワタシの心は一気に赤いバラが咲き乱れる。


直貴が笑顔だと、それだけでワタシも笑顔になれる。


別れていた半年の時間は戻せないけど、でも、これからの時間は一緒に刻んでいける。


うれしくて……悲しい。


ワタシの笑顔にも直貴の笑顔にもそんな悲しみがどことなく潜んでいる。


でもお互い、それは言わない。
残された時間を精一杯生きるためには、言わなくてもいいことだってたくさんあるだろうから。


そして、雪とヒデも目を覚ます。眩しそうに目を細め、まだ寝足りないとばかりに大きなあくび。


2人とも、寝起きの動作が一緒だった。その光景が微笑ましくて、ずっと目に焼き付けておこうと思った。


朝食が運ばれてくる頃には、3人とも「夕方に来るから」と言って帰っていた。


ワタシはその間、もう4冊目に入った思い出ノートに昨日の出来事を書いていた。


まるで夢のような出来事を1つ残らず天国まで持っていけるように、1字1字、時間をかけて……。
 

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