2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- Twenty --**



夜になって眠ろうと目を閉じる。そのたびに、1日1日と死に近づいていくのは言いようのない恐怖だ。


目が覚めたら次はどこが動かなくなるのか……、もう目は覚めないんじゃないか……。


眠りにつくたびにそう感じる。


だけどワタシは、恐怖と同じくらい……ううん、その恐怖を越えて、直貴たちに会える“明日”を待ち望んでいる。


今のワタシの希望になっているのは、直貴たち3人の屈託のない笑顔。


ずっと潜んでいた不発弾は、すでにワタシの体の至るところで連鎖的に爆発をはじめていた。


大きな爆弾が投下されるのも、そう遠くはない未来だと思う。


だけどワタシは、毎日毎日が幸せでしかたがない。


矛盾していると言われても、ワタシにはそれを否定も肯定もできない。


死ぬのに幸せなのか?と聞かれては、たぶんワタシは返事もできないだろう。


それでもいい。
それでもいいから、ワタシは直貴たちのそばで生きていたい。


最期の1秒までワタシは幸せを噛みしめていたい。
 

< 460 / 613 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop