2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- Twenty --**
そんなある日の午後、点滴が終わるのを静かに待っていたときだった。
「こんにちは〜」
ゆっくりとドアを開けて、見知らぬ女性が入ってきた。
――誰だろう?
「……どうぞ」
知らない人だけど、一応ワタシは中に招き入れた。直貴たち誰かの知り合いかもしれない。
「はじめまして。私、直貴さんの友人で木村香織といいます」
ワタシの前まで来ると、その女性は丁寧にあいさつをした。
「直貴のお友だちですか」
「はい。直貴さんの会社と取り引きをさせてもらっている会社で事務の仕事をしています」
「へぇ、そうなんですか」
「はい」
木村さんは、ワタシのこのガリガリの悲惨な状態を見ても何一つ態度を変えず、むしろ平等に扱ってくれた。
笑顔が印象的で、黒髪のロングストレートがよく似合う、清楚(セイソ)という言葉がピッタリの女性だった。
すごくきれいな顔立ちで、気品が漂っていると言っても過言じゃないくらいの美人さん。