2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- Twenty --**
ワタシはしばし、木村さんに見とれてしまった。
「……あ、あの、座っても?」
「あ、はい。どうぞ」
――いけない、いけない。初対面の人をガン見してしまった……。
木村さんに見とれるあまり、ワタシは木村さんを立たせたままだった。
「これ、お花とお見舞いです。ここに置いておきますね」
「ありがとう」
木村さんは、花とフルーツをワタシに見せると、ベッド脇の棚にそれらを乗せた。
「すみません。勝手に押しかけちゃって……。私も何かお手伝いをしたくて」
木村さんは“ごめんなさい”という顔をして少し笑顔を作った。
「こちらこそすみません。お見舞いまで頂いてしまって。それだけでワタシはもう……」
ワタシは恐縮してしまって、片言の日本語のようにたどたどしく言ってしまった。
――もしかして……。
点滴でボーッとする頭に、前に直貴が言っていたことが浮かんでくる。
―『落とし前はつけてきたから安心しろよ?』―