2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- Twenty --**
「違ってたらごめんなさい。だけどワタシがこんなことになったばっかりに、彼女さんが悲しい思いをしているんじゃないかと思うといたたまれなくて……」
「……」
ワタシがそう言うと、木村さんは突然泣きはじめた。
「すみません。本当は……あなたに“直貴さんを返してください”って……言おうと思って来たんです」
手で顔を覆いながら、木村さんは言葉を詰まらせながら告白をはじめた。
「でも私、どこかで分かってたんです……。直くんにはずっと想ってる人がいる、って」
「……」
ワタシの目にも涙が浮かぶ。
女同士だから、木村さんの気持ちが痛いくらいに分かる。
表面の部分では向き合ってくれていても、心の奥では向き合ってくれてないんじゃないか。
ワタシが2月に直貴に感じていた気持ち、そのものだった。
「……ごめんなさい。謝るのはワタシのほうです……」
やっと絞り出せた言葉は、それだけだった。
木村さんがどんどん涙がで歪んでいく……。