2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- Twenty --**
「謝らないでください。ふさぎ込んでいた直くんに近づいたのは私なんです。弱みにつけ込むみたいに近づいたのは私なんです……」
「……木村さん」
泣きじゃくる木村さんに、ワタシは何もできなかった。
どんな言葉も、シャボン玉が割れるみたいに口から出る前に弾けてしまった。
・:*:・゚'★,。・:*:・゚'☆・:*:・゚'★,
静かな午後の病室に、木村さんのすすり泣く声だけが永遠に響いている感じだった。
しばらくして、ワタシはなんとか言葉を見つけた。
木村さんにはどう届くか分からないけど、今のワタシに言えるのはこの言葉だけだった。
「直貴をよろしくお願いします」
木村さんの手を取って、ワタシはそう言った。
精一杯の謝罪の気持ちと、精一杯のワタシの強がり。
「……」
木村さんは真っ赤になった目をワタシに向け、すごく驚いた顔をした。
「ほんとは、こんなことをお願いするのは間違いなんでしょうけど……」
「……」