2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- Twenty --**



「ワタシは、ずっと先の未来までは行けませんから。直貴の支えに……なってあげてください。お願いします……」

「……」


ワタシの目からは、違う種類の涙が流れる。


……悔しくてたまらない。
ずっと直貴といたいのに、木村さんにはできるのに……。


ワタシにはそれができない。
もう時間がない……。


今までのどんな悔しかったことより、今のほうが何万倍も悔しかった。


「直貴を本気で好きになってくれた人と会えたら、ずっと言おうと思ってました。直貴の夢も、応援してあげてください」


悔し涙をこらえながら、ワタシは木村さんにお願いをした。


「夢……ですか?」


木村さんは聞いた。


「小学校の先生に……なるのが夢なんです。今も忘れてないと思います」

「そうだったんですか……」

「はい」


ワタシと木村さんは、涙も鼻水も拭かずに手を握ったまま見つめ合っていた。


「あと2ヶ月だけでいいんです。直貴をワタシに貸してください」
 

< 466 / 613 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop