2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- Twenty --**
「ワタシは、ずっと先の未来までは行けませんから。直貴の支えに……なってあげてください。お願いします……」
「……」
ワタシの目からは、違う種類の涙が流れる。
……悔しくてたまらない。
ずっと直貴といたいのに、木村さんにはできるのに……。
ワタシにはそれができない。
もう時間がない……。
今までのどんな悔しかったことより、今のほうが何万倍も悔しかった。
「直貴を本気で好きになってくれた人と会えたら、ずっと言おうと思ってました。直貴の夢も、応援してあげてください」
悔し涙をこらえながら、ワタシは木村さんにお願いをした。
「夢……ですか?」
木村さんは聞いた。
「小学校の先生に……なるのが夢なんです。今も忘れてないと思います」
「そうだったんですか……」
「はい」
ワタシと木村さんは、涙も鼻水も拭かずに手を握ったまま見つめ合っていた。
「あと2ヶ月だけでいいんです。直貴をワタシに貸してください」