2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- Twenty --**
呆気にとられた顔で見上げるワタシに、木村さんは涙を拭いて、いたずらな笑顔を向けた。
「“女の勘”です」
そう言って、木村さんは謎を残して帰っていった。
それからまたしばらくして、点滴も終わり、オレンジ色の西日が病室を染めはじめていた。
ワタシは昼間に体力を使ったこともあって、西日の暖かさの中、深い眠りに落ちていた。
いつもなら直貴たちが来る時間には起きて待っているんだけど、今日は木村さんと話をしたから疲れたみたいだ。
夜中にフッと目が覚めると、木村さんが持ってきてくれは花は花瓶に飾られてあった。
フルーツは、ワタシが食べやすいように小さくカットしてあって、花瓶の横に置かれていた。
枕元には雪からのメモがあって、“3人とも来たんだけど、寝てたから起こさずに帰ったよ”という内容と、花とフルーツについても少し書いてあった。
でもワタシは、直貴の目の周りにアザができていたなんて、この時は知らなかった……。