2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- Three --**
「あんた、バカなの?もうあんたと会うことは一生ない。昨日の合コンも今日の引っ越しもただの偶然」
ワタシは引っ越し屋さんの頭がおかしくなったと思った。
――この人、また会えるとでも思ってるの?
バカも休み休み言ってもらいたいものだ。どこで会えるというのだろう。
「今までのは偶然だと思うけど、これからは必然にできる」
引っ越し屋さんは真っ直ぐに前を見ながら言った。
「はい?」
ワタシは思わず聞き返してしまった。
もう、引っ越し屋さんが何を言っているか分からない。頭がパンクしそうだ。
「俺はあんたの住所もケータイの番号も知ってる。知らないのはアドレスだけ」
「ふっ。ストーカーにでもなる気なの?警察に訴えるから覚悟しといて」
「バカ言え。あんたのストーカーなんて誰もやらないでしょうが」
「そうとも限らないわ。これでもモテるし、ワタシ」
「ほぉ〜。あんたを好きになる人がいるとは思わなかったな」
「……あんたねぇ!」