2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- other side Twenty --**
『バゴーンッ!』
次の瞬間、バランスを崩した俺を襲ったのは、父ちゃんのズシンと重たい一発だった。
殴ろうとしたのに、逆に殴り返されてしまった。
左の目の周りがみるみるうちに熱くなっていく。
よろめきながらも、俺は父ちゃんを睨みつけた。痛さとともに言いようのない怒りがフツフツと沸き上がる。
「頭を冷やせ」
父ちゃんも俺に負けないくらい睨みをきかせ、吐き捨てるようにそう言った。
そして、ドアが壊れるんじゃないかと思うくらいデカい音を立ててリビングを出ていった。
母さんは、アワアワとした様子で俺と父ちゃんを何度も見ていた。
「母さんも父ちゃんの見方なら俺にかまうな」
母さんのこの態度を見ただけで、俺は無性に腹が立った。
どっち付かずの態度が、今は俺の神経を逆撫でするんだ。
そう言うと、母さんは泣きそうになるのをこらえながら父ちゃんのあとを追っていった。
……涙が傷にしみる。