2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- Twenty one --**



思い出ノートは、あとどれくらいの間、書き続けられるのだろう。


筆圧だって落ちてしまって、ペンを持つのさえ辛いときもある。
……悔しい。


そういえば、直貴に聞いていなかったことがあったっけ。


ワタシが“あまのじゃくな姫”になってしまったの理由。


でも前に話したよね、ワタシの子どもの頃の話。……それなら直貴から聞かなくても自分で分かっているからいいや。


直貴が話す前にワタシから話しちゃったからね、直貴が話そうとしていた内容もなんとなくだけど分かるよ。





8月の花火大会の日以来、ワタシはまたあのネックレスを付けるようになっていた。


大切な宝物。
大好きな人からもらった、すごく大切な宝物。


“好き”の証。
不安なときとか悔しいとき、泣きたいときや死にたくなるとき……このネックレスを握ると、まだワタシは大丈夫だと不思議と思うことができる。


“生きててもいいんだよ”と言ってくれているみたいに、ワタシの心を静めてくれるんだ。
 

< 485 / 613 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop