2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- Twenty one --**
思い出ノートは、あとどれくらいの間、書き続けられるのだろう。
筆圧だって落ちてしまって、ペンを持つのさえ辛いときもある。
……悔しい。
そういえば、直貴に聞いていなかったことがあったっけ。
ワタシが“あまのじゃくな姫”になってしまったの理由。
でも前に話したよね、ワタシの子どもの頃の話。……それなら直貴から聞かなくても自分で分かっているからいいや。
直貴が話す前にワタシから話しちゃったからね、直貴が話そうとしていた内容もなんとなくだけど分かるよ。
8月の花火大会の日以来、ワタシはまたあのネックレスを付けるようになっていた。
大切な宝物。
大好きな人からもらった、すごく大切な宝物。
“好き”の証。
不安なときとか悔しいとき、泣きたいときや死にたくなるとき……このネックレスを握ると、まだワタシは大丈夫だと不思議と思うことができる。
“生きててもいいんだよ”と言ってくれているみたいに、ワタシの心を静めてくれるんだ。