2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- Twenty one --**



1人で死のう、1人で死のうと、そればかりを考えていた頃とは180度違う今。


雪が寄り添ってくれて、直貴もヒデもこうして寄り添ってくれている。


空っぽで何も入っていなかった心が、今はいろんな気持ちで溢れている。


だからワタシは、みんなに感謝の気持ちを込めて“幸せだった”と言って死にたいんだ。


ワタシが死んだあとのことは知りようがないけど、それでも3人には笑っていてもらえれば……と思う。


たまに思い出すくらいがちょうどいいんじゃないかな。


例えば“2年おき”とか。


ワタシが今までやっていたゲームはみんな2年おきにリセットしてきたから。


だからそのゲームにちなんで、2年おきに思い出す。


悪くないんじゃないだろうか。
2年おきに3人が集まってワタシのことを懐かしんでくれれば、ワタシは死んだあとも幸せでいられそうな気がする。


いいことを思いついたと、ワタシはさっそく思い出ノートに“2年おき”について3人に手紙を書いた。
 

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