2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- other side
Twenty one --**
数日後。
まだアザが色濃く残る顔で、俺は香織に会う約束を取りつけた。
適当な喫茶店に呼び出して、香織が来るのを落ち着かない気持ちで待っていたんだ。
店の奥のほうの席でコーヒーを飲みながら待っていると、久しぶり見る香織の姿が目に入った。
「……久しぶり。呼び出して悪かったな」
「ううん」
先に声をかけた俺に、香織も落ち着かない様子で席についた。
「……」
「……」
しばしの沈黙が流れる。
もし栞に会いに行ったのなら、そこで何を言ったのかを知るために来てもらったのに、うまく話が切り出せなかった。
無言のまま時間が過ぎ、香織の前にはオレンジジュースが運ばれていた。
「聞きたいことがあるんだけど」
意を決して俺は話を切り出した。
「ごめんね、余計なことしちゃったね。小峰さんのお見舞いに行ったの、私だよ」
香織は俺を真っすぐに見て、大胆にも栞に会いに行ったことを告白した。