2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- Three --**
「その人、俺が電話に出たことに驚いてたけど、あんたが熱出して寝てるって言ったらもっと驚いてた」
ワタシの圧力なんて桃原直貴には効かないみたいだ。
「……静かにして」
これ以上、あの人のことは聞きたくなかった。
あの部屋を出た瞬間から、ワタシはリセットされたんだから。
「まぁまぁ、最後まで聞きなよ、小峯栞さん」
「はぁ……」
ワタシはどうでもいい気分になった。きっと、桃原直貴をしゃべらせなければもっとしゃべる。
だったら気の済むまでしゃべらせようと思った。
ワタシはそれをやかましいBGMか何かのようにイライラしながら受け流すだけだ。
ワタシの諦めにも似た態度に気を良くした桃原直貴は、少し間を置いてから話しはじめた。
「その人、見舞いに行きたいから俺にあんたの住所教えてくれって言うんだよ。つき合ってるんならおかしいよな」
「……」
「それで俺は聞いたんだ。“あなたは小峯栞さんの彼氏ですか?”」
「……」