2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- Twenty two --**
――ヒデも泣いてくれるのね。意外だけどうれしい。
今でこそ、ヒデとワタシの間には“仲間”という関係ができてはいる。
だけど前は直貴や雪も知っているような関係だったから、やっぱりヒデが泣くなんて想像がつかなかった。
ヒデには悪いけど、ヒデの泣き顔を見たら吹き出して笑ってしまうかもしれない。
「なあ、栞。栞が寝ているときに言うのはアレなんだけど、俺、教師になる勉強をはじめたんだ」
ワタシの手を優しく包み込みながら直貴が言った。
「ちゃんと先生になってみせるからな。ヒデよりいい先生になってやるよ」
そう言って、ワタシの痩せこけたほっぺに温かな手を添えた。
「俺よりってのは余計だろ」
ヒデがすかさず直貴に反論する。
「何言ってんだよ。目標はデカいほうがいいじゃねぇかよ」
「俺と直貴とじゃキャリアが違うだろうが」
泣きながらも、ワタシのためにと明るく振る舞ってくれる直貴とヒデ。
本当にいい関係だね。