2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- Twenty two --**



うらやましいを通り越して、妬ましいくらいだよ。


ワタシも普通の体だったら……、なんていう思いも、やっぱり隠せないな。


「しーっ!栞ちゃんが起きちゃうってば」


そこへ雪が仲裁に入って、また重たい空気にガランと変わる。


「……ごめん、雪ちゃん」

「悪いな……」


声のトーンを落として2人が謝ると、雪はそのあとは何も言わなかった。


――ごめんね、みんな。暗い空気にばかりさせちゃって……。


目をつぶっているからこそ分かる空気の重さや流れ……。


臆病者のワタシは、目を開けていることさえできないんだよ。


毒を吐いたり3人とのギャップを感じたり、今はできるだけそんなことはしたくないから。


だからワタシは、現実の自分もみんなも怖くて寝ているふりばかりをしてしまうんだ。


……許してね。
直貴、雪、ヒデ……。


直貴には木村さんのこともまだ話せていないけど、この際だからワタシが死ぬまで黙っていてくれないかな。
 

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