2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- Twenty two --**
しばらくすると、
「栞、また明日も来るからな」
と直貴が言った。
その言葉が合図になって、
「また明日ね、栞ちゃん」
「また明日」
と、雪とヒデもワタシに一言ずつかけてから帰っていった。
さまざまな機械の音が響く集中治療室に残されたワタシは、やっと目を開ける。
切なさや心細さ……それでも3人が来てくれたことに対する感謝の気持ち。
弱虫なワタシは、明かりが落とされた集中治療室という新たな場所で、拭うことさえできない涙をボロボロ流した。
“死”に体の半分以上を突っ込んでいる今のワタシには、涙を拭う力も気力もなかった……。
直貴とした“いつか”の約束も、今じゃもう泡となって消えてしまった。
だから言ったのに。
遊園地も水族館も、全部1日で見て回りたいって……。
直貴のバカ。
もったいぶったって結局はダメだったじゃん……。
ワタシは、泣き疲れて眠るまでずっと泣き続けていた。