2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- other side
     Twenty two --**



10月も下旬に入った今でも、父ちゃんと母さんは首を縦に振ろうとはしてくれない。


俺と顔を合わせれば結婚のことしか出てこないから、2人ともあまり顔を合わせようとはしてくれなくなった。


俺が必死に説得しようとしても、2人は俺を避けるようになった。


“親の心、子知らず”とはよく言ったものだけど、俺には“子の心、親知らず”といった気持ちが大きかった。





コンコンッ!


いつものように俺がアルバムを見ながら泣いていると、珍しく部屋のドアがノックされた。


「……!」


いきなりのことで、俺はドアを見たまま固まってしまった。


「……入るぞ?」


ドア1枚隔てた向こうにいたのはあろうことか父ちゃんだった。


結婚の話を切り出す前でも、父ちゃんは滅多に俺の部屋には来なかった。


それが、こんな険悪なムードのときに来るなんて、とてもじゃないけど信じられなかった。


全身に緊張が走る。
 

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