2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- other side
Twenty two --**
たどたどしい会話だった。
俺も父ちゃんも、できるだけ会話を途切れさせまいとしていた。
そしてチョコの話題が尽きたのか何なのか、父ちゃんは机に開かれたままのアルバムに目をつけた。
「8月までの彼女が写ってるけど……でも今はもう撮ってない」
アルバムを閉じてから、俺はそう言った。
「見てもいいか?」
父ちゃんが聞く。
「……」
迷ったあげく、俺は無言でそのアルバムを父ちゃんに渡した。
たとえ親であっても、本当は見せたくなんてなかった。だけど、頭ごなしに否定し続けていた父ちゃんが歩み寄ろうとしている。
そのことが俺を期待させる。
だから俺は、プルプルと震える腕を伸ばして父ちゃんにアルバムを渡した。
父ちゃんは、受け取ったアルバムを丁寧にめくりはじめた。
1枚1枚の写真を食い入るように眺め、小さな嘆息をもらしながらページをめくり続けた。
俺はその様子を静かに観察した。